粗大運動は発達障害の子どもにどう役立つ?

粗大運動は発達障害の子どもにどう役立つ?

粗大運動は、発達障害のある子どもの発達を支える重要な活動のひとつです。

体力や感覚、集中力、社会性など、多くの面に良い影響があります。

この記事では、粗大運動の意味やメリット、家庭での取り入れ方について詳しくご紹介します。

粗大運動とは?

粗大運動とは、「走る」「跳ぶ」「バランスを取る」など、大きな筋肉を使った全身運動のことを指します。

発達障害のある子どもにとって、このような身体を大きく動かす活動は、体づくりだけでなく、心や行動の発達にも良い影響を与える重要なアプローチです。


発達障害の子どもにおける粗大運動の効果

粗大運動には、以下のような効果があります。

1. 身体的な発達をうながす

粗大運動は、筋力や体力を育てます。さらに、バランス感覚や協調性も高まり、動作が安定してきます。
立つ、歩く、座るなどの動きがスムーズになり、姿勢も保ちやすくなります。

2. 感覚統合の力を育てる

感覚統合とは、視覚・聴覚・触覚などの情報を整理し、適切に反応する力のことです。たとえば、トランポリンで跳ぶとき、バランス感覚や触覚、視覚が同時に使われます。
粗大運動を通じて、これらの感覚の結びつきが自然に強まり、感覚の過敏さや鈍感さの緩和にもつながります。

3. 集中力や感情のコントロール力が育つ

粗大運動には、体の動きや順番、ルールを意識して取り組む場面が多く含まれます。そのため、感情の調整や集中力の持続をうながす機会にもなります。また、運動遊びの中で「待つ」「見る」「動く」を繰り返すことで、落ち着いて過ごす力が自然に育ちます。

4. 社会性やコミュニケーションの力を育む

友達と一緒に行うボール投げやサーキット遊びでは、順番を守る、相手とペースを合わせる、声をかけ合うなど、自然な形で社会的スキルが育ちます。相手を意識した行動が増えることで、協調性や相互理解の力も高まります。

5. 成功体験によって自信が生まれる

最初は難しかった平均台やジャンプ運動が、少しずつできるようになる。このような達成の積み重ねが、「自分にもできた」という自信につながります。特に、発達に遅れのある子どもにとっては、こうした体験が大きな力になります。


コペルプラスでの粗大運動の実践例

コペルプラスでは、毎回の療育の最後に5分程度、プレイルームで粗大運動の時間を設けています。
鉄棒・平均台・トランポリン・マットなどの道具を使って、お子様が自分のイメージ通りに身体を動かす経験を重ねています。

  • トランポリン:跳ぶことで筋力・リズム感・バランス感覚を育てます。
  • 平均台:集中力とバランス感覚を同時に高めることができます。
  • ボール遊び:手と目の協調や、やり取りの力を伸ばします。
  • サーキット運動:トンネルくぐり・跳び箱・マット運動など、全身を使う一連の動きを組み合わせることで、体力や協調性を高めます。

微細運動との関係も大切

粗大運動が土台となり、その上に微細運動の発達が築かれると考えられています。
たとえば「箸を使う」「ひも通しをする」といった細かな動きには、体幹の安定や姿勢保持が必要です。

コペルプラスでは、毎回のレッスンで手先を使った制作やひも通しなどの活動も取り入れ、粗大運動と微細運動の両面からバランスよく発達を支えています。


家庭でもできる!粗大運動の取り入れ方

粗大運動は、日常の中でも楽しく取り入れることができます。

  • 公園遊び:滑り台、ブランコ、登り棒など、遊具を活用して体を大きく動かしましょう。
  • おうちサーキット:クッションや毛布を使ってジャンプやトンネルくぐりなどをすることで、安全に体を動かせます。
  • 親子で運動:キャッチボールやストレッチ、ダンスなどを通じて、親子の時間も楽しめます。

まとめ:粗大運動は発達障害の子どもの成長に欠かせない支援

粗大運動は、発達障害のある子どもにとって、身体・感覚・行動・社会性のすべてを支える土台となります。

特に発達に遅れのある子どもには、感覚統合の促進や行動の安定化、集中力の向上など、より明確な効果が期待できます。

コペルプラスでは、運動を通して「楽しい」「できた!」という成功体験を積み重ね、子どもたちの未来に向けた大きな一歩を応援しています。

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