ABA応用行動分析とは?
ABA応用行動分析とは?
ABA応用行動分析とは、子どもの行動が環境や周囲の関わりによってどのように変化するかを分析し、その仕組みを活用する方法です。この考え方を支援や教育に取り入れることで、子どもの行動をより良い方向へ導けます。
コペルプラスでもABA理論をもとに、子どもの行動を丁寧に観察し、どの対応が適しているかを選んでいます。問題行動を未然に防ぎ、子どもが自発的に望ましい行動をとれるよう支援しています。
ABAの3つの基本原理
ABA応用行動分析には「強化」「弱化」「消去」という3つの基本原理があります。
- 強化とは
「強化」とは、行動後に良いことが起こることで、その行動の頻度が増える現象を指します。
たとえば、子どもが「ありがとう」と言ったときに褒めると、その子はまた「ありがとう」と言うようになります。逆に、好ましくない行動も、望ましい結果が伴っていると強化され、繰り返されることがあります。
- 弱化とは
「弱化」とは、行動のあとに好ましくないことが起こり、その行動が減る現象です。
たとえば、子どもがストーブを触って熱さを感じ「もう触らない」と学ぶ場合です。
- 消去とは
「消去」とは、行動のあとに変化が起こらず、その行動が次第に減る現象です。
たとえば、子どもがお母さんに注目してほしくて大声を出しても反応がなければ、その行動は減ります。
問題行動へのABA的アプローチ
子どもの行動には「言うことをきかない」「反抗する」など、保護者が困るものもあります。多くの大人は「どうにか変えなければ」と感じ、叱ったり諭したりして行動を抑えようとします。
しかし、ABA応用行動分析の視点では「次に繰り返させない対応」が重要です。人は行動の結果が何も起きなければ、その行動をしなくなるからです。
つまり、問題行動に対して強く叱ったり長く諭したりすると、子どもにとって「大人が相手をしてくれた」という結果になり、逆にその行動が強化されてしまう場合があります。
そのため大切なのは、まずは「かまいすぎない」こと。危険な行動は止めますが、長く叱る必要はありません。そして、必要以上の反応を与えないことがポイントです。
そしてもう一つ重要なのが、「良い行動を見逃さずに褒める」ことです。たとえば「一人で静かに遊んでいる」場面で「えらいね」と声をかけると、望ましい行動が強化されます。
ABA応用行動分析を取り入れるメリット
ABA応用行動分析は、行動の「理由」に注目します。「なぜこの行動をするのか?」を知ることで、子どもの気持ちが理解できます。その結果、保護者のイライラや不安も減ります。
行動の原因を理解し、望ましい行動を増やす工夫を重ねることで、子どもはより安心して成長し、保護者も前向きに子育てに取り組むことができるようになります。