発語がない子どもへの「言葉の種まき」のすすめ

発語がない子どもへの「言葉の種まき」のすすめ

子どもが意味のある言葉を話すことは親にとって大きな喜びです。しかし、1歳半を過ぎても発語がない子どもを見ると、不安や心配を感じることもあります。

そのため、発語がない子どもに対しても、周りの大人が積極的に話しかけ続けることが非常に大切です。

今回は、発語がない子どもへの言葉の種まきの重要性と、日常でできる具体的な関わり方を紹介します。

言葉の種まきとは?

「言葉の種まき」とは、子どもが言葉を理解し、やがて自分で話せるようになる基礎を作ることを指します。

周りの人がたくさん話しかけることで、子どもは言葉のリズムや音、意味を自然とインプットしていきます。

アウトプット(発語)の時期はゆっくりでも、子どもの中には着実に言葉が根付いているのです。

発語がない子どもに話しかけ続ける理由

① 言葉の理解が深まる

子どもは、周囲の言葉を聞くことで語彙を増やし、言葉の意味を学んでいます。 発語がまだでも、話しかけられることで言葉の理解力は高まり、将来の発語の基礎となります。

② 社会的スキルの発達につながる

話しかけることで、子どもはコミュニケーションの基本を学びます。また、言葉だけでなく、表情や身振り手振りなどの非言語コミュニケーションも理解できるようになります。

③ 感情の発達を助ける

子どもは言葉を通して自分の感情を表現し、他者の気持ちを理解することを学びます。そのため、親が感情を込めて話しかけることで、子どもはさまざまな感情を経験し、共感する力を育みます。

④ 安心感と親子の絆を育む

話しかけられることで、子どもは親とのつながりや安心感を感じます。さらに、「自分は大切にされている」、「愛されている」という気持ちが伝わり、親子の絆も深まります。

日常でできる言葉の種まき

次に、日常生活の中でできる言葉の種まきの方法をいくつかご紹介します。

ナレーション

子どもが見ているものやしていることを言葉にして説明しましょう。こうすることで、自分の行動と言葉を結びつけて学べます。

例:「今、○○くんは赤いブロックを持っています。これで何を作るのかな?」

絵本の読み聞かせ

豊富な語彙や表現に触れ、想像力も広がります。

歌やリズム遊び

言葉のリズムや音を楽しく学べます。手遊び歌や童謡など、子どもが楽しめる要素を取り入れましょう。

日常の対話の機会を増やす

食事やお風呂の時間などで質問を投げかけ、子どもの反応に応答します。これにより、自然にコミュニケーションの練習ができます。

言葉の種まきがもたらす長期的な効果

親から肯定的に、豊富な語彙で、頻繁に話しかけられていた子どもは、あまり話しかけられていなかった子どもと比較して、3歳時点のIQのスコアが1.5倍高かったという研究結果があります。

また、小学校に入ると、読解力や作文力にも大きな違いが現れると報告されています。

さらに、言葉を使って自分の意志や感情を表現できるようになることで、周囲からの理解や共感を得やすくなり、自己肯定感も育まれます。

まとめ:発語がない時期こそ言葉の種まきを

発語がまだない時期でも、日々の言葉かけは脳の発達にとってとても価値があります。

今は芽が見えなくても、積み重ねた言葉はしっかりと子どもの中に根づいていきます。

子どもが自信を持って言葉を発する日を楽しみに、あたたかく見守りながら、たくさんの「言葉の種まき」をしていきましょう。

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